ケットー君とカボック君
さく すぱろう
ケットー君はチョット未来の血糖測定器。
様々な機能が搭載されたケットー君。
そんな彼の一番の自慢は頭に付いた未来のセンサー。
指を挟んで60秒。
何と未来の血糖測定器は血を一滴も出さなくていいのです。
彼はこの未来の技術で人々の健康な生活を守っていたのでした。
ある時、 ケットー君は過去の人達が針で血を出さないと血糖値を測れないの を知って大層驚きました。
「僕が過去に行ってみんなを助けよう! 針が痛くて泣いている人達を笑顔にしよう」
ケットー君はそう言うと、簡単な身支度を済ますと意気揚々と旅立ちました。
大きな川も、急なガケも、ケットー君は難なく越えて進んでいきます。
そんな事くらいで彼の気持ちが萎える事はないのです。
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しばらくすると果てしなく大きな壁が現れました。
足元に小さな穴が開いている他は通れるところはないようです。
この壁の向こう側には目指す過去の世界があるのです。
ケットー君がその穴を覗いてみると
針が痛くて泣いている子供の声や、消毒が充分でなく、傷口からバイ菌が入って苦しんでいる人達が見えたのでした....
ケットー君は焦りました。
慌てて穴を拡げようとしましたが、 いくら未来の機械でも、 時間の壁を崩すのは容易なことではありません。
彼はしばらく考えると
そして分身がすっかり出来上がると、
その小さな分身に「 カボック」と名前を付けました。
ケットー君は、その小さくて自分そっくりの分身に、自分の頭に付いていた自慢のセンサーを取り付けながら言いました。
「カボック君、ボクはしばらくの間、この穴を拡げなくちゃならない。 だからその間、君が先にあの世界に行ってくれないかい?」
カボック君は目をぱちくり。
ケットー君はニッコリ笑って続けました。
ケットー君はニッコリ笑って続けました。
「カボック君、君はボクみたいに血糖値は測れないけれど、未来の数値、カボック値を測る事が出来る。それで困っている人達を助けてあげて欲しいんだ。」
「うん分かった!」
カボック君は元気にそう答えるとクルリと向き直り、 その小さな穴を易々と潜り抜けていきました。
「頑張って。」
ケットー君はいつまでもカボック君の後ろ姿を見つめていました。
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彼の名前はカボック君。
少し未来の測定器。
彼の冒険が始まります。
(・ω・)y
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